山本山の新たなパッケージデザインは、江戸時代の美意識がインスピレーションの源となっている。特に、色彩の重ね合わせを表現した「配色」の文化が重要な要素となっている。新しいパッケージでは、この文化のコンセプトに基づいて伝統的な日本色から選ばれた色彩が用いられている。それぞれの色彩は、茶葉の風味や産地の特性を反映するように選ばれた。
山本山は、日本最古の茶商の一つであり、今日でも緑茶の販売を先導している。そのブランドリニューアルのコンセプトは「江戸の原点への回帰」である。伝統的な茶文化を継承し、未来へと伝えるために、パッケージデザインが見直された。長い歴史を持つブランドの魅力を保ちつつ、現代的な感覚にも対応するために、伝統的な色彩や巻物の構造、山本山のオリジナルの小紋や江戸時代の書体を参考にした。
このデザインプロジェクトには、アートディレクションとグラフィックデザインを担当したNOSIGNERの田近英輔氏と水迫良太氏、そしてクライアントである山本山株式会社が参加している。
この新たなパッケージデザインは、2021年のA'パッケージデザイン賞でプラチナを受賞した。プラチナA'デザイン賞は、世界クラスの優れたデザインや革新的なデザインを認める賞で、プロフェッショナリズムと天才性を示し、社会的な福祉に貢献する作品に授与される。この賞は、時代の美学を定義し、芸術、科学、デザイン、技術の境界を拡大し、卓越した優れた作品を通じて世界をより良い場所にすることを目指している。
山本山の新たなパッケージデザインは、伝統と未来を繋ぐ架け橋となるブランディングである。その美しさと意義は、江戸時代の美意識を現代に蘇らせ、新たな価値を創造することで、世界中の人々に日本の伝統的な茶文化を伝えていく。
プロジェクトデザイナー: Eisuke Tachikawa
画像クレジット: Photography: Sato Kunihiko
プロジェクトチームのメンバー: Art Direction: NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
Graphic Design: NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryota Mizusako)
Client: YAMAMOTOYAMA Co.,Ltd.
プロジェクト名: Yamamotoyama
プロジェクトのクライアント: Eisuke Tachikawa